土佐市と須崎市の間にある峠。
現在使われている「新名古屋トンネル」が完成したのは最近になってからであ
る。それまでは「旧名古屋トンネル」が使われていたが、断面が小さく大型車ど
うしの通行ができないため、新たにトンネルが掘削された。「新名古屋トンネル」
のすぐ脇に残っているが、バリケードで走れなくなっている。
須崎側から新名古屋トンネルをいったん抜けて、土佐市側から旧道の入口を探
す。土佐市側に入って最初の集落、樫佐古集落が右手にある。ここが旧道の入口である。
小川に沿って進むと、道が二手に分かれている。真っ直ぐそのまま進む方と、
右に折れて橋を渡って上っていく道。どっちが正しいか、その時持っていた「高
知県万能地図」ではよく分からなかった。調べ直してまた来ようと、Uターンした。
ちょうどそこへ、この集落の住民のものと思われる軽トラがやってきた。軽ト
ラは私の目の前で止まって運転手が下りてきたので、尋ねてみた。
「まっすぐいったら、ずっと昔の『さむらいみち』やね。須崎の方へ抜けちゅう。
こっち(橋渡る方)は、ずーっと行ったら古いトンネルがある。ちょっと車に傷
がつくけんど、通れることは通れるよ」
こういう地元の人の言葉があると心強い。もう一度Uターンして、旧々名古屋
トンネルを目指した。
長く延びた下草が車の横を打つが、別に気にならない程度である。やがて旧々
トンネルが姿を現した。驚いたのは、旧々トンネルのすぐ手前に家があって、人
がいまも住んでいることである。車も駐車してあって、これならこの旧道が廃れ
ることは当分なさそうである。
トンネルは照明もなく暗かったが、問題なく通過。トンネル出口にも現住住居
あり。坂を下っていくと、やがて現道に突き当たる。「高知より30km」ポストの近く。
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